ソフトの砂場(TTLの出力電圧)

最終更新日:2000年05月05日

まえがき

[1]などには、TTLの入力電圧と出力電圧のグラフが描いてあります。これを見ていると、N-TTLの様子が他と違うので、回路シミュレータで再現できるか試してみました。回路シミュレータには、(株)マイクロネット社の『Circuit Viewer』を使っています。

NOTゲートを作る

7404の等価回路を、下図のように入力しました。入力ミスがあって後で修正したりしたので、Q1がないのですが、まあご愛敬ということでお許しを。入力は0〜5Vのランプ波(というより、のこぎり波というべきか)です。

入力電圧・出力電圧を見る

上記の回路図で、緑のプローブ(入力)と紫のプローブ(出力)の電圧を表示すると、下図のようになりました。これを見ると、入力電圧が増加していくと、出力電圧がしばらくは一定ですが、その後なだらかに低下していき、最後に急激に0Vに近づくことがわかります。

ちなみに、Lと見なされる入力電圧の上限は0.8Vなので、そこで見てみると出力電圧は4.15Vであり、2.4Vを上回っています。

Hと見なされる入力電圧の下限は2Vであり、そこでの出力電圧は十分低い値になっています。

まあ、私が心配するまでもなく、これらの値が問題ないことは確実なのですが、それにしても出力電圧がだらだら下がっているところが気になります。Q3のベース電圧(オレンジ色)とQ4のベース電圧(水色)も測定すると、次のようになりました。

これを見ると、紫色の波形と水色の波形の形が似通っています(拡大すると、少し違うのですが)。またオレンジ色の波形は、だらだらと上昇していきますが、紫色の波形がLになったときから後は水平になっています。

入力電圧が上昇すると、それにつれてQ3のベース電圧(オレンジ色の波形)も上昇し、R4-Q2-Q3-R1のように電流が流れ始めます。するとQ3が能動状態になるのでコレクタ電流がR3-Q3-R1のように流れ、R3による電圧降下でQ4のベース電圧(水色の波形)が低下していきます。このときQ4はON状態なので、ベース電圧の低下に伴って、エミッタ電圧も低下する、ということのようです。

ちなみに、入力電圧がある程度以上になるとQ3, Q5がONになって出力はLになり、Q3のベース電圧(オレンジ色の波形)はVbeの約2倍で一定になります。

雑感

回路シミュレータで本当に再現できるかな〜 と疑っていましたが(失礼!)、この通り確認できました。すばらしいです。


おまけ

[1]には、LS-TTLやS-TTLでは上記回路図のR1をトランジスタで置き換えることで特性を改善している、とあるので、適当に試してみました。下図のように、上図のR1をQ3, R1, R2で置き換えています(番号ががらっと変わっているところはご容赦を ^^;)。

で、その特性はというと

というようになって、出力(紫色の波形)の傾きがずいぶん緩やかになっているので、改善されているのでしょう。

参考文献

  1. 猪飼國夫, 本田中二, 定本 ディジタル・システムの設計, CQ出版, 1990

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