ソフトの砂場(論理ゲート)

最終更新日:1998年11月02日

今までと少し毛色が変わっていますが、今回はトランジスタから論理ゲートを作ってみます。といっても、本当に部品を組み立てて実験するのではなく、回路シミュレータを用いて分かったつもりになろう、という目論見です。とても使いやすいシミュレータがあることが分かったので、その評価版を使います。

まえがき

パソコンの箱を開けてみると、マザーボード上にいろいろなLSIが載っています。LSIは論理ゲートの集まりで、論理ゲートはトランジスタなどで作られていることは、ご存知だと思います。ここでは、基本的な論理ゲートの1つである2入力のNANDゲートを実現してみます。2入力NANDゲートを組み合わせることで、(原理的には)あらゆる論理ゲートを実現できることが知られているので、(原理的には)今お使いのパソコンのCPUと同じ動作をするものができるはずなのですが(無責任 ^^;)

本当に部品を組み立てるのではなく、回路シミュレータを用いて分かったつもりになろう、という目論見です。回路を自分で考えてもよいのですが、ここではICの規格表に載っている等価回路をシミュレータに入力して、どういう動きをするのかを見てみます。ここで取り上げるのは、標準TTL 7400です。これは2入力のNANDゲートで、74シリーズの先頭の番号が割り当てられていることからも分かるように、非常に一般的なものです(今や、でしたと言ったほうが適当かも)。

回路シミュレータには、(株)マイクロネット社の『Circuit Viewer』を使います。これはとても使いやすい回路シミュレータで、体験版が提供されているので、ぜひダウンロードして試してみることをお勧めします。

NANDゲートを作る

7400の等価回路をCircuit Viewerに入力したものを下図に示します。素子の入力順序が適当なので、素子番号がばらばらになってしまいました(動作には関係ありませんが)。図の中に、緑・紫・山吹色の3つの書き込みがありますが、これらはオシロスコープのプローブをつなぐところです。図の中の色は、プローブの色に対応します。それぞれに対応する影のプローブは、もちろんGNDに接続します。ここに書いていないパラメータとしては、シグナルジェネレータe1は出力電圧が5V、e2はt1, t2ともに2m秒で出力電圧は5Vです。

回路シミュレータに入力した等価回路

オシロスコープを接続してみると、下図のような表示になります(スイープのタイミングによっては、図が違うかもしれません)。図の上部にある(1)などは、説明のために書き足したものです。縦軸は、すべて5V / DIVに設定してあります。

等価回路のシミュレーション結果

0VをL、5VをHとして、(1)〜(4)の各タイミングについてこの結果を整理すると、次の表のようになります。

入力(緑) 入力(紫) 出力(山吹)
(1) L L H
(2) H L H
(3) L H H
(4) H H L

この表から分かるように、入力がともにHのときに限り出力がLになるので、この回路はNANDゲートとして動作していることが分かります。ここでは示しませんが、この回路の各部の電圧がどのようになっているかを見ると、内部動作がよりよく分かると思います。実際のICの内部を見ることはできませんが、回路シミュレータを使えばそのようなことが簡単に行えます。

NANDゲートから他のゲートを作る

NANDゲートができれば、これを組み合わせることで他の論理ゲートを作成できます。下図で、NOTゲートを作るには、NANDゲートを右のように接続します。AND, ORゲートも同様に、それぞれの右側のように接続すれば実現できます。

NANDゲートで実現する各論理ゲート

雑感

このテーマは、以前から取り上げてみたいと思っていましたが、なかなか使いやすい回路シミュレータが見つからず先送りにしていました。使いやすい回路シミュレータを開発し、その体験版を公開してくださった(株)マイクロネット社に感謝いたします。このように、簡単に、等価回路を用いて動作を見ることができるので、他の種類のゲートでも試してみてはどうでしょうか。

参考文献

  1. Circuit Viewer Ver. 1.10 Preview Version 32bit版, (株)マイクロネット社
  2. 池田克夫 編, 新コンピュータサイエンス講座 情報工学実験, オーム社, 1993

ホーム